伝送線路を用いたパルスジェネレータ
概要
伝送線路を用いたパルスジェネレータを作製しました。
今回は5nsのパルスを出力する回路を作成しましたが、下記写真中の伝送線路の長さを変えることによって任意のパルス幅のパルスを出すことができます。
回路構成
回路図を下記に示します。
動作原理は下記です。
- シュミットトリガインバータであるTC7W14FU(以下U1)が0V→5Vに立ち上がる
- U1の出力する信号が伝送線路上に流れる
- 伝送線路を信号が伝っていく間は出力電圧は中間電位になる
- 伝送線路から信号が反射して帰ってくると出力電圧は0Vになる
- 上記3の中間電位になる間はパルスが出力される
実際の波形
実際の出力波形を下記に示します。
5nsほどのパルスが出力されています。
注意点
このパルスジェネレータではU1の立ち上がりのときに正のパルス、U1の立ち下がりのときに負のパルスが出ます。
何かの測定やテストに使うときにはこのことに気をつけて使用する必要があります。
遊んでみる
パルスジェネレータを使って伝送線路の反射の様子を見てみました。
オシロスコープのチャネルをCH1~CH4までデイジーチェーン接続し、そこにパルスを入力してみました。
CH1~3は1MΩ終端にし、CH4を1MΩ終端にしたときと50Ω終端にした時の差を見てみます。
CH4を1MΩ終端にした時の波形が下記です。
CH1から入力されたパルスはCH2→4まで通過していき、CH4に到達した時点で2倍の振幅となって反射してCH1に戻っていっている様子がわかります。
CH4を50Ω終端にした時の波形が下記です。
波形の反射が発生せず、CH4の50Ωできれいに終端できている事がわかります。